かながわ芸能歳時記 吉浜 鹿島踊り
古い様式を今に伝える
吉浜 鹿島踊り
(湯河原町吉浜/素鵞神社/8月)
吉浜の鹿島踊りは、湯河原町吉浜の素鵞(すが)神社の祭礼で、毎年8月1日に、神輿渡御(しんよとぎょ*)に先だって境内で奉納されます。疫病を払い、大漁と豊作、この地方の産業である石材産出とその海上輸送の安全を祈願し、約500年にわたり続けられてきました。小田原市根府川から東伊豆北川の相模湾沿いに残る鹿島踊りの中でも比較的古い様式が残るとされており、国の選択無形民俗文化財および県の無形民俗文化財に指定されています。
踊り手は古式ゆかしく白張(はくちょう*)を着て、烏帽子をかぶり、右手に扇、左手に幣束を持ち、白足袋に白緒の草履を履きます。ほかに太鼓役一人、鉦(しょう)役二人、日形・月形・黄金柄杓の役がそれぞれ一人おり、5行5列の25人が定型です。さらに裃をつけ青竹をもった警護役が4人つきます。
太鼓と鉦の囃子と歌にあわせ、円舞から方舞へと陣形を変化させながら踊ります。
*神輿渡御: 祭礼にてご神体を神輿に移し、氏子地域内の巡幸、お旅所へお渡りすること。
*白張:「しらはり、しらばり」とも読む。平安時代の下級官人の衣装。
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
協力:鹿島踊り保存会
写真提供:島袋文雄(鹿島踊り保存会相談役)
住所:神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1056
交通:JR「湯河原駅」から箱根登山バス「真鶴」行き「海の家」下車
日時:毎年8月1日 神事9:00頃〜 鹿島踊り10:00頃〜
お問合せ:青木通泰(鹿島踊り保存会会長) 090-4709-8967
Photoキャプション(上から)
裃をつけ青竹をもった警護役
日形・月形・黄金柄杓
太鼓と鉦
円舞
陣形を変化させながら踊る
方舞
昭和20年代の様子(下2点)
平成11年度国際民俗芸能フェスティバル第41回関東ブロック民俗芸能大会 の舞台から
素鵞神社の境内で奉納される鹿島踊りの記録映像
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