かながわ芸能歳時記 鶴岡八幡宮の御神楽
800年の時を越え、幽玄の世界へ誘う
鶴岡八幡宮の御神楽(みかぐら)
(鎌倉市雪ノ下/鶴岡八幡宮/12月)
鶴岡八幡宮の御神楽は、毎年12月16日の「御鎮座記念祭」にて奉仕されます。
建久2年(1191)3月、町屋から発生した火災により、八幡宮の社殿はことごとく焼失。源頼朝公は直ちに現在の上下宮の姿に再建し、同年11月21日に改めて源氏の氏神である石清水八幡宮の御祭神を勧請しました。その時、京都より宮中の楽人を招き御神楽を執り行ったことが始まりとされ、『吾妻鏡』には「すこぶる神感の瑞相あり」と記されています。現在では陰暦を陽暦に換算し12月16日に行われています。
当日は午前に本宮にて「御鎮座記念祭」が行われ、夕刻になると舞殿北庭にて御神楽が執り行われます。神楽歌にはじまり、4人の巫女による「宮人*の舞」や、宮中武官衣装の神職による「人長*の舞」が奉奏されます。800年の時を越え、篝火に照らされ暗闇に浮かび上がる姿は、見るものを幽玄の世界へと誘います。
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
協力・写真提供:鶴岡八幡宮
*御神楽: 神楽=神事の時に神前で奏される歌舞。民間で行われるのが「里(さと)神楽」で、宮中で行われるものを「御神楽」という。鶴岡八幡宮の神楽は宮中から伝えられたものなので「御神楽」と呼ばれる。
八幡宮の神楽は宮中から伝えられたものなので「御神楽」と呼ばれる。
*宮人(みやひと):宮中に仕える女官のこと。
*人長(にんじょう):御神楽の舞人の長のこと。
Photo(上から):
篝火が焚かれ奉奏される「人長の舞」
巫女による「宮人の舞」
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