かながわ芸能歳時記 世附の百万遍念仏
屈強な男たちが大数珠を勢いよく回転させる
世附の百万遍念仏
(足柄上郡山北町/能安寺/2月)
世附の百万遍念仏は、約600年前から伝承されているといわれる念仏行事で、山北町世附の能安寺で行われてきました。1974年の三保ダムの建設に伴い元の寺は湖底に沈み、現在は山北町向原に移転された能安寺で毎年2月中旬の土曜日・日曜日に行われており、県の無形民俗文化財に指定されています。
一般的な百万遍念仏は、善男善女が円座して中央に導師を迎え、大数珠を繰りながら念仏を唱えるものを指します。世附の百万遍念仏は、山伏姿の司祭者が印を結び、神寄せの唱言をして始まります。滑車に掛かった大数珠を、屈強な男たちが交替しながら、勢いよく回転させるという珍しい行法です。
大数珠は、数珠の数が302個、長さ9メートル。それが中空を舞い、床を激しく打ち鳴らします。取り囲む念仏衆が、大太鼓の拍子に合わせ念仏を唱えます。
念仏の後、鳥刺しを含む獅子舞(地元ではこれを神楽と呼ぶ)が奉納されます。
*鳥刺し: もち竿を持った鳥刺しの動きを真似た踊り、伝統芸。
監修:神奈川県民俗芸能保存協会 会長 石井一躬
協力・写真提供:山北町教育委員会
住所:神奈川県足柄上郡山北町向原2499 能安寺
交通:JR御殿場線「東山北駅」下車 徒歩5分
小田急線「新松田駅」から富士急バス「向原バス停」下車 徒歩3分
日時:2017年2月11日(土) 念仏奉唱13:00〜 神楽14:00〜
2017年2月12日(日) 念仏奉唱10:00〜、13:00〜 神楽14:00〜 カガリ(念仏奉唱)15:30〜
お問合せ:山北町役場生涯学習課 0465-75-3649
Photoキャプション(上から)
念仏に合わせ勢い良く数珠を回転させる
神寄せする山伏姿の司祭者
念仏後の獅子舞(剣の舞)
融通念仏を唱える念仏衆
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