ルーツ

2016年12月17日(土) ~26日(月) KAAT神奈川芸術劇場 〈大スタジオ〉

脚本:松井 周(サンプル) 演出・美術:杉原邦生(KUNIO)

出演:石田圭祐(文学座) 猪股俊明 内田淳子 金子岳憲

北川 麗(中野茂樹+フランケンズ) 洪 雄大(中野茂樹+フランケンズ)

中山求一郎 成田亜佑美 南波 圭(なんばしすたーず) 新名基浩

能島瑞穂(青年団) 長谷川洋子 日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)

山崎皓司(FAIFAI) / 銀粉蝶

 今著しい活躍を続ける演出家・杉原邦生(KUNIO)と、松井周(サンプル)の初タッグで挑んだ新作公演『ルーツ』。

 杉原はまるでアリの巣の断面図のような舞台美術で、「鳴瀬」という過疎の集落に住む人々の生活空間を表現しました。そこで繰り広げられる物語を観ているうちに、観客もまるで集落の一員であるかのように彼らの絶望と希望を共有できたのではないでしょうか。上演時間は3時間弱ほどでしたが、物語が進めば進むほど「鳴瀬」の世界にのめりこみ、終演まであっという間に感じられたという声が多く寄せられました。

 若手からベテランまで様々な個性を放つ俳優陣が織り成す群像劇は、「共同体」の在り方を浮き彫りにするとともに、私たちが今生きる「社会」について考えさせる作品となりました。


お客様の声

 人々が内に秘めた社会に対する疑問を可視化して、より多くの人と共有できるきっかけとなるのが、演劇のすばらしいところですね。今日観に来ることができて本当によかったです。(30代女性)

 あくまで一つの解釈ですが、この劇が日本の現状あるいは体制、伝統のような何かを描いていたからこそ、観ていて嫌な気持ちになることも、主人公の人に共感することもできました。非常に良い、今の日本に必要な作品だと思いました。(20代女性)

 とてもおもしろかったです。芝居、演出がとても良く、リズミカルでのめりこむように見られました。(50代男性)


photo:清水俊洋

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