かながわ芸能歳時記 「仙石原の湯立獅子舞」

煮えたぎった湯釜の湯を獅子が撒く

仙石原の湯立獅子舞

(箱根町仙石原/諏訪神社/3月)

湯笹をふって湯をふりかけて悪疫を払う


 仙石原の湯立獅子舞は、毎年3月27日の諏訪神社の祭礼に奉納されます。湯立を用いた神事は全国的に広く行われていますが、獅子が湯立を行うのは全国的にも非常に珍しいものです。国選択無形民俗文化財および神奈川県指定無形民俗文化財に指定されています。

 悪霊退散・無病息災・家内安全等を祈念して獅子舞が奉納され、まだ雪の残る境内の神池で男たちの水行が行われた後、湯立の行が斎行されます。

 獅子は煮えたぎる湯釜の前に立ち、東西南北の四方、湯釜の火、湯釜を祓います。祭壇の青竹幣を湯の中に入れてかき回し、さらに湯笹をとって両手で熱湯をかき回し、湯笹を引き上げて神に献じ、その後に参集の氏子たちの頭上にも振りかけます。その湯(湯花)を浴びると1年間の無病息災がもたらされるとされ、降り注ぐ湯花を浴びようと多くの人がつめかけます。


住所:神奈川県箱根町仙石原88(諏訪神社)

交通:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から「桃源台行」の箱根登山バス

   「仙石」下車 徒歩5分

日時:2018年3月27日

お問合せ:箱根町生涯学習課 0460-85-7601


◎同時期(2月)開催のその他の祭り

いなりっこ(三浦市三崎/海南神社/2月11日)

世附の百万遍念仏(足柄上郡山北町/能安寺/2月17、18日)


監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬

協力:箱根町生涯学習課

写真提供:箱根町生涯学習課

1 獅子舞の後に湯立の行が行われる

2 剣印して湯釜を祓う獅子

3 湯笹の束で湯をかき回す

4 迫力の湯立

5 湯笹を引き上げて神に献じる

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