かながわ芸能歳時記 「いなりっこ(三浦市三崎/海南神社/2月)」
漁業の街を彩る子どもたちの面踊り
いなりっこ
(三浦市三崎/海南神社/2月)
演目「天狐の舞」を舞う子どもたち
「いなりっこ」は、毎年2月11日に、三浦市三崎の海南神社で奉納されます。役に合わせたさまざまな面を着けた子どもたちが笛や太鼓の音に合わせ舞い演じる郷土芸能で、毎年11月に同じ海南神社で奉納される「面神楽」の子ども版です。五穀豊穣を祈願する「稲荷講」が訛って「いなりっこ」になったといわれています。
田畑を荒らす狐を退治する「種まき」、漁業の街・三崎らしく大漁と航海安全を願う「恵比寿の舞」、さらに「国がため」、「湯立」、「天狐の舞」などの演目があります。
「いなりっこ」は江戸後期に伝えられたとされ、かつては各地域で舞台が組まれ、節分や端午の節句などに賑やかに行われていたといいます。1960年代に一度衰退しましたが、海南神社青年会などが73年に復活させ、現在では三浦いなりっこ保存会により後進の育成が行われています。市の重要無形民俗文化財です。
住所:神奈川県三浦市三崎4-12-11(海南神社)
交通:京浜急行「三崎口」駅から京急バス三崎港方面バスにて「三崎港」下車、徒歩3分
日程:2019年2月11日 10時頃より
お問合せ:三浦市教育部文化スポーツ課 046-881-1111
●同時期(2、3月)開催のその他の祭り
世附の百万遍念仏(足柄上郡山北町/能安寺/2月16日、17日)
湯立獅子舞(箱根町仙石原/諏訪神社/3月27日)
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
協力:三浦市教育委員会教育部文化スポーツ課
写真提供:三浦市教育委員会教育部文化スポーツ課
「恵比寿の舞」釣りの餌を取りに行く様子
0コメント