ボーダーレス室内オペラ 「サイレンス」
日本初演(フランス語上演/日本語字幕付)
神奈川県立音楽堂
ノーベル賞作家、川端康成×アカデミー賞作曲家、アレクサンドル・デスプラのコラボレーションが生み出すスタイリッシュで詩的な宇宙
「サイレンス」は今年生誕120周年のノーベル賞作家、川端康成の短編小説「無言」に題材をとり「真珠の首飾りの少女」「英国王のスピーチ」「アルゴ」「シェイプ・オブ・ウォーター」等数々の名作映画の音楽で知られ、アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞に輝く作曲家、アレクサンドル・デスプラが手がけた初のオペラです。
物語に登場するのは、脳卒中で言葉を失い、書けなくなってしまった、どこか川端自身を彷彿とさせる、年老いた「作家」、父の思いを代弁する献身的な娘「富子」、作家を見舞う弟子の「三田」、そして「タクシーの運転手」というごく限られた人物たち。そして姿は見えないのに、トンネルの中でタクシーに乗ってくるという形で最も強い印象を残す存在 ―「女の幽霊」。
精緻な演奏にファンも多いアンサンブル・ルシリンの10名がVALENTINOのクリエイティブ・ディレクターであるピエルパオロ・ピッチョーリのアジアを感じさせる鮮やかな衣裳をまとって後方にまっすぐに並び、その前が「作家の家」「家までの道のり」と、舞台空間は三つに重なり想像の中でからみあいます。テレビのプロ野球試合の場面などを使いながらも不思議と詩的な映像と、シンプルでスタイリッシュなセット。現実と虚構、想像と追憶の合間を漂うような繊細で幻想的な音楽……。今年2月から3月にかけ行われた、ルクセンブルク大劇場とパリのブッフ・ドゥ・ノールの世界初演では独自の美学に貫かれたイマジネーションの宇宙が絶賛されました。
神奈川県立音楽堂が開館65周年を機に打ち出す「室内オペラ・プロジェクト」。2020年の幕開けを飾るファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテによるバロック・オペラ「シッラ」と、生まれたばかりの本作の、時代を超えた二つの作品はまさに音楽堂の空間にぴったり。今年はセット券でお得に両方を体験することができます。ぜひ両方ご覧頂き「室内楽の無限の面白さ」を感じて頂ければ幸いです。
開館65周年記念
音楽堂室内オペラ・プロジェクト ボーダーレス室内オペラ
「サイレンス」
日本初演(フランス語上演/日本語字幕付)
2020年1月25日(土) 14:00 神奈川県立音楽堂
原作:川端康成 「無言」
音楽:アレクサンドル・デスプラ
台本:アレクサンドル・デスプラ/ソルレイ
演出:ソルレイ
美術・照明:エリック・ソワイエ
衣裳:ピエルパオロ・ピッチョーリ(VALENTINO)
指揮:アレクサンドル・デスプラ
演奏:アンサンブル・ルシリン
*日本公演もデスプラ/ソルレイが指揮/演出となりました。
全席指定 一般6000円 シルバー(65歳以上)5500円
学生(24歳以下)3000円 *車椅子席あり(付添1名無料)
*未就学児入場不可 託児サービスあり
*開場開演前 無料シャトルバスあり
8月31日(土)KAme先行 9月7日(土) 一般発売
Photo(上下とも)
2019年2月 ルクセンブルクでの世界初演の舞台 ⓒSilvia Delmedico
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