音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ Vol.28 ギル・シャハム ヴァイオリン・リサイタル
神奈川県立音楽堂
名手シャハムが奏でる音楽の愉悦
現代最高のヴィルトゥオーゾ、ギル・シャハム。
ジュリアード音楽院在学中の18歳で、パールマンの代役としてティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団と急遽共演。その大成功で世界の檜舞台に駆け上った彼もいまや49歳。精彩を放つテクニックはさらに磨きがかかり、古典から現代まで幅広いレパートリーをこなし、世界中から出演オファーが殺到する……というと晦渋(かいじゅう)な表情でヴァイオリンと対峙する近寄りがたい大スターをイメージしてしまうかも。しかしその演奏は、少年のような生き生きとした眼差しと笑顔の本人そのまま。音楽の愉悦に溢れています。
長年にわたってデュオを組み、今回も共演するピアノの江口玲は、シャハムについてこう語っています。
「常に冒険心に溢れる、自由な発想の持ち主で……意表をついた解釈に驚かされることもありますが、それは常に理論的で、決して単なる思い付きや独善的なものではありません。またステージでも毎回演奏が変わるので、そのスリル? を愉しむように心掛けています」(KAJIMOTO公式サイトから)
シャハムの強い希望で組まれた今回のプログラムは、最近の来日では取り上げてこなかった作品ばかり。全体を貫くキーワードは「フランス」です。
円熟期のドビュッシーとラヴェル、そして若き日のフォーレとメシアンと、近代フランスから生まれた繊細優美な抒情性に満ちた4作品に、フランス・バロック期のクープラン、フランクールの音楽に触発されて20世紀最大のヴァイオリニスト、クライスラーが作曲した二つの小品を挟むという選曲です。
シャハムの愛器ストラディヴァリウス「ポリニャック伯爵夫人」から香り立つフランスのエスプリに浸る一夜。どうぞご期待ください。
2020年6月25日(木) 19:00
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
クライスラー:クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ
フランクールの様式によるシチリアーノとリゴードン
ラヴェル:ツィガーヌ
メシアン:主題と変奏
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 op.13
全席指定 S 6000円 A 5500円 学生(24歳以下)3000円
シルバー(65歳以上)5500円
Photo(上から)
ギル・シャハム ⓒLuke Ratray
江口 玲 ⓒ堀田力丸
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